経費区分

経費区分

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ここに記載する就学奨励費支給制度の説明は、P-SPACEが就学奨励費システムを構築するにあたって整理した内容に基づいています。それゆえ最新の制度や支給に関するルールに照らし合わせたときに、このページの説明が正しくない場合があります。
 
本ページの内容は参考にとどめていただき、正確な説明については文部科学省発行の事務処理資料や都道県教育委員会の文書等を参照してください。

就学奨励費の支給対象となる経費の種類のことを「経費区分」と呼び、24の区分が定められています。

経費項目

事務処理資料図表中では、「経費区分」を「区分」と略称されることがあります。

就学奨励費システムでは「経費区分」と「支弁区分」、「区分」の混同を避けるために、「経費区分」のことを「経費項目」と呼んでいます。

以下、これらについて概要を示します。

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これらの経費項目として支給対象となる範囲について、事務処理資料に詳細に定義されています。経費の計上にあたっては必ず事前に確認してください。
 
また事務処理資料に記載のない、判断が難しい経費については都道府県教育委員会に確認してください。

教科用図書購入費

高等部・専攻科に所属する生徒の教科書購入にかかる費用です。正規の手続きにより採択されたものであり、原則として教科用図書の種類(種目)ごとに1種類が対象になります。

教科用図書購入費を支給する場合は、支給の基礎となる教科用図書購入費個人別内訳表を作成しておくものとされています。 教科用図書購入費個人別内訳表

学校給食費

学校給食の実施に必要な施設費、設備費及び学校給食の運営に要する経費(給食従事職員の人件費、施設・設備の修繕費など以外の経費)

  • 調理に要する光熱水費を含めてもよい
  • 児童等が欠食した場合における欠食分については、原則として補助の対象としない
    ただし、調理準備後における突然の欠食で、当該欠食分を保護者等が負担することになる場合は、妥当な規定を作成し、保護者等に周知徹底しておくことを条件に、校長の定めるところにより負担金等の対象として差し支えない。
  • 学校給食支給額の基礎となる学校給食費支給表を作成しておくものとする 学校給食費支給表

通学費本人

児童等が、最も経済的な通常の経路及び方法により通学する場合の交通費

  • 通学に利用する交通機関の旅客運賃
  • 通学の用に供するバス会社などとの間に締結する運行委託料
  • 児童等の障害の状況を考慮して校長が適当であると認めた場合の、自家用車の運行にかかるガソリン代、有料道路の通行料
  • 自転車等を利用して通学する場合の、自転車等のパンク修理代、預かり料等

弱視、難聴、言語障害等の児童・生徒で、学校教育法施行規則第73条の21第1項の規定により、障害に応じた特別の指導を受けている児童・生徒については、その通学にかかる特別に要する交通費のみを通学費として補助の対象とすることができます。

ℹ️
学校教育法施行規則第73条の21第1項の規定
第七十三条の二十一〔通級による指導〕
1 小学校又は中学校において、次の各号の一に該当する児童又は生徒(特殊学級の児童及び生徒を除く。)のうち当該心身の故障に応じた特別の指導を行う必要があるものを教育する場合には、文部大臣が別に定めるところにより、第二十四条第一項、第二十四条の二及び第二十五条の規定並びに第五十三条第一項及び第二項、第五十四条及び第五十四条の二の規定にかかわらず、特別の教育課程によることができる。
 一 言語障害者
 二 情緒障害者
 三 弱視者
 四 難聴者
 五 その他心身に故障のある者で、本項の規定により特別の教育課程による教育を行うことが適当なもの

通学費付添中

幼児、小学部第1学年から第3学年までの児童、肢体不自由又は重度・重複障害の小学部第4学年から高等部の児童生徒が通学する場合の付添人の付添いに要する交通費の額のうち、付添人がこれら児童生徒の通学中の付添に要する交通費

「重度・重複障害」とは(原則として)いわゆる重複障害学級在籍者(学校教育法施行令第22条の3に定める程度の障害を2以上併せ有する児童・生徒)を対象とします。

ℹ️
学校教育法施行令第22条の3
第二十二条の三  
法第七十五条 の政令で定める視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者の障害の程度は、次の表に掲げるとおりとする。
(表は省略)
 
備考
一 視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によつて測定する。
二 聴力の測定は、日本工業規格によるオージオメータによる。

通学費付添のため

幼児、小学部第1学年から第3学年までの児童、肢体不自由又は重度・重複障害の小学部第4学年から高等部の児童生徒が通学する場合の付添人の付添いに要する交通費の額のうち、付添人がこれら児童生徒の通学中の付き添いのために付添人が単独で往復するために要する交通費

帰省費本人

学校附設の寄宿舎に居住する児童等が年間39往復以内で、最も経済的な通常の経路及び方法により帰省する場合の寄宿舎からの往復の交通費の額

以下のものを含めてよい、とされています。

  • 原則として100km以上乗車する場合の急行列車等の急行料金等
  • 年間39往復以内の入学時における寄宿舎への入舎のための交通費および卒業時における帰省費のための交通費
  • 交通が不便であるため、およびほかの特別な事情により帰省の際に宿泊を要する場合の宿泊料
  • 水路による旅行区間が原則として130km程度を旅行する場合の航空費

帰省費付添中

学校附設の寄宿舎に居住する幼児、児童、中学部の生徒、肢体不自由又は重度・重複障害の高等部の生徒が年間39 往復以内で帰省する場合の付添人の付添いに要する交通費の額のうち、付添人がこれら児童生徒の帰省中の付添に要する交通費

帰省費付添のため

学校附設の寄宿舎に居住する幼児、児童、中学部の生徒、肢体不自由又は重度・重複障害の高等部の生徒が年間39 往復以内で帰省する場合の付添人の付添いに要する交通費の額のうち、付添人がこれら児童生徒の帰省中の付添をするために付添人が単独で往復するために要する交通費

職場実習交通費

学校の教育計画に基づき、生徒が教師の指導のもとに学校以外の事業所等において、職業教育のための現場(職場)実習に参加する場合の交通費の額

原則として学校から実習を行う事業所等までの最も経済的な通常の経路及び方法による往復の額、と定められています。

交流及び共同学習費

児童等が学校教育の一環としての幼稚園、小学校、中学校、高等学校または特殊教育諸学校の児童等とともに集団活動(運動会、学芸会、音楽会等)を行う交流学習に参加する場合に必要な交通費の額

  • 交流相手先は特殊教育諸学校または他の小・中学校の特殊学級
  • 原則として学校から交流先の学校までの最も経済的な通常の経路及び方法による往復の額

寝具購入費

児童等が寄宿舎居住に伴い通常就寝に必要な寝具の購入費の額

  • 寝具購入費は、原則として学校附設の寄宿舎に入舎するため、新たに寝具を購入する児童等(以下「寝具対象者」)に支給する。
  • 入舎後において、寝具を少なくとも3年以上使用し破損により使用に支障をきたすもの又は破損の程度が著しく使用に堪えないものと校長が認めた場合は寝具購入費を支給することができる。

日用品等購入費

児童等が寄宿舎居住に伴い通常必要な日用品等の購入に要する経費の額

事務処理資料には対象となる範囲について定められています。

食費

夏季、冬季及び学年末の休業日を除く期間において、児童等に対し、学校附設の寄宿舎で通常支給する1日3回の食事に要する経費(学校給食費を除く)および1日1回の間食に要する経費の額

休業日であっても、以下の理由によって支給する食事または間食に要する経費を対象に含めても良い、とされています。

  • 病気のため帰省できない場合
  • 交通機関の事故その他天災地変等のため帰省できず、寄宿舎に留まっている場合
  • 交通機関等の事情により、始業日以前の日(原則として前日)に寄宿舎に居住する場合又は終業日以降の日(原則として翌日)に帰省する場合
  • 教育上又は衛生上の理由により一時的に寄宿舎に居住させる場合

修学旅行費本人

児童・生徒が小学部(小学校)、中学部(中学校)又は高等部を通じてそれぞれ1回参加する修学旅行に要する経費のうち、修学旅行に直接必要な交通費、宿泊費及び見学料

修学旅行の参加に伴い、児童・生徒が均一に負担することとなる記念写真代、医薬品代、および旅行傷害保険料の額も修学旅行費に含めてもよい、とされています。

修学旅行費支給の基礎となる実施内訳を別紙様式3により作成しておくものとする 修学旅行 実施内訳

修学旅行費付添人

肢体不自由又は重度・重複障害の特別支援学校の児童生徒(高等部専攻科を除く。)が、各部を通じてそれぞれ1回参加する修学旅行に付添う付添人の経費のうち、
付添いに直接必要な交通費、宿泊費及び見学料の額

事務処理資料には「付添人」の定義が詳細に定められています。

校外活動等参加費本人

特殊支援学校においては「児童等(高等部専攻科を除く。)が、学校外に教育の場を求めて行われる学校行事としての活動(修学旅行を除く)に参加するために直接必要な交通費及び見学料の額」と定義されています。

「支給の基礎となる学校行事としての活動実施内訳を別紙様式3(修学旅行実施内訳)を参考にして実費で作成しておくもの」とされています。

校外活動等参加費付添人

児童等が参加する、学校外に教育の場を求めて行われる学校行事としての活動(修学旅行を除く)に付き添う付添人の経費のうち、付添いに直接必要な交通費及び見学料

職場実習宿泊費

学校の教育計画に基づき、生徒が教師の指導の元に学校外の事業所等において、職業教育のための現場(職場)実習に参加する宿泊費の額

学用品・通学用品購入費

児童等(高等部専攻科を除く。)が、教育課程上通常必要とする学用品(保育用品)の購入費の額、または児童等(高等部専攻科を除く。)が通学のため通常必要とする通学用品(通学用靴、雨傘、雨靴、帽子等)の購入費の額

事務処理資料には学用品・通学用品購入費の対象となる範囲が定められています。

新入学児童生徒学用品・通学用品購入費

新たに入学する児童生徒(高等部専攻科を除く。)が通常必要とする新入学に当たっての学用品・通学用品(ランドセル、カバン、通学用服、通学用靴、雨靴、雨傘、上ばき、帽子等)の購入費の額

生活保護法(昭和25 年法律第144 号)に基づく生活扶助又は生業扶助(高等学校等就学費)の入学準備金の支給を受けた場合には、支給対象とならない

拡大教材費

弱視の児童又は中学部(中学校)の生徒について、校長が必要と認めた授業において、学校教育法附則第9条の規定に基づく附則9条教科用図書として採択された拡大教科書とは別に副教材として使用する拡大教材の購入費

ℹ️
学校教育法 附則第9条
高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校並びに特別支援学級においては、当分の間、第三十四条第一項(第四十九条、第四十九条の八、第六十二条、第七十条第一項及び第八十二条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、文部科学大臣の定めるところにより、第三十四条第一項に規定する教科用図書以外の教科用図書を使用することができる。
② 第三十四条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により使用する教科用図書について準用する。

音声教材費

視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の高等部(本科保健理療科)の生徒に対して、専門教科「保健理療」において採択された教科用図書を原本として音声化した教材であって、当該教科用図書とともに使用し得るものの購入費

ICT機器購入費

高等部の生徒が学用品として使用するICT機器の購入費

オンライン学習通信費

学校長若しくは教育委員会が正規の教材として指定するもの又は正規の授業で使用する教材と同等と認められるものにより提供される、ICTを通じた教育のオンライン学習に必要な通信費(モバイルルーター等の通信機器の購入又はレンタルに係る費用を含む。)

要保護世帯の生徒(幼稚部は除く)に対して支給される。ただし生活保護から(教育扶助または生業扶助として)教材代を受給している者を除く。

参照